性的合意年齢が引き上げられ、何かと話題の「性的合意」ですが、若年層だけでなく中高年にも重要な課題です。
性的同意を「紅茶のすすめ方」に例えています。
この動画を見てどのような感想を持ちましたか?
- 長年連れ添ったパートナーだから相手のことはよく理解している。
- 嫌がらないのだから同意しているに決まっている。
このような考えは、注意が必要です。
内閣府の調査*1では、
- 約4人に1人は「配偶者から暴力を受けたことがある」
- 約20人に1人は「配偶者者から性的強要を受けたことがある」
と答えています。
「嫌がっているのに性的な行為を強要される」「避妊に協力しない」なども性的強要になります。
1 性的同意 理解してますか?
性的同意とは、全ての性行為に対して、互いが明確に積極的に臨んでいるかを確認することです。
性的同意は、相手の尊厳・身体を傷つけない為に必要な大切な要素です。
1-1 性的同意を取らない行為は性暴力
性的同意がとれていない行為は、相手の心身を傷つける性暴力となり刑法第177条「強制性交等罪」になりえます。
1-2 性的同意をとるときの4つのポイント
性的同意は明確的で非強制的で対等的で非継続的である必要があります。
- 明確で積極的な同意がある【明確的】
- NOと言える環境【非強制的】
- 力関係に左右されない対等な関係【対等的】
- 1つ1つの行為に対して、その都度同意をとる【非継続的】
2 中高年の性的同意 意識してますか?
歳を重ねた中高年にこそ、性的合意は重要な課題となってきます。
長年連れ添ったパートナーだからといって性的合意をしっかりとらなければ、相手の心身を傷つけ関係の悪化につながる恐れもあります。
2-1 結婚していても性的同意は必要?
結婚もしているし、長年連れ添った夫婦で今まで同意は取らずに性行為してたけど、それでも性的同意は必要ですか?
もちろん必要です。
結婚している・付き合っているというだけで、性的同意が取ているわけではないです。
性的同意の非強制的側面から結婚していても拒否する権利はあるのです。
また、今まで同意を取らずに性行為をしていたとしても、これからも行為についても同意が取れているというわけではないです。
性的合意は非継続的であるため、その都度同意をとる必要があります。
2-2 聞くのは恥ずかしいし、相手に拒否されたら?
直接的に性行為をしたいか聞くのは恥ずかしいし、雰囲気も壊れそう、それに相手に拒否されたらショックだし、どうすればよい?
性的同意は明確的側面から、言葉で明確に同意をとることが大切です。
そうすることで、「相手の気持ちを尊重したい」という思いも伝えることができるので、
お互いの信頼感につながるはずです。
ただ、お互いが分かる合言葉やサインを決めてみるのも良いかもしれません。
また、「拒否=愛情がない」というわけではありません。
しっかりコミュニケーションをとって、お互いの気持ちを理解することが大切です。
2-3 一つ一つの行為に同意が必要なの?セックス以外にも性的同意は必要?
性行為一つ一つ確認しなければいけないの?
手を繋いだり、キスをするのも性的合意は必要なの?
「したい行為・したくない行為」は人によって様々です。
その日の気分や体調・環境によって「したい行為・したくない行為」が変わる場合もあります。
しっかり確認して、お互い安心して愉しみましょう。
また、同じように手を繋いだり・キスも「したい・したくない」は人によって様々です。
自身が「これくらいなら」と思っても、相手にとってはとても嫌なことかもしれません。
成熟した大人として、相手を尊重してしっかり同意を取りましょう。
3 性的同意 自然に実践できますか?
パートナーと生活していく上で必要な要素です。
時代の変化のなかで性的同意は意識され始めました。
とはいえ、今まであまり意識してなかった方にとっては新たに始めることなので、気恥ずかしかったり・緊張するものです。
何事も初めはギクシャクするかもしれませんが、続けていくとこで当たり前のこととなります。
パートナーとの関係が以前より良くなり、より良い性生活を愉しめると思います。
3-1 スマートに同意をとるヒント
コミュニケーションの基本は言葉で明確にしましょう。
恥ずべきことをするわけではないので、普段通りのコミュニケーションの延長線上で良いのです。
「今度一緒に映画見に行こうか?」と同じ感覚で、
- 「今夜セックスしたいけど、よい?」
- 「〇〇(具体的な性的な行為)をしてもよい?」
こんな感じでフランクに、相手を威圧しない感じで力を抜いて行うと良いでしょう。
これが難しい場合、まだ性行為をする関係性ではないかもしれません。
3-2 スマートに断るヒント
断るときも、普段のコミュニケーションの延長線上と考えましょう。
「今度一緒に映画見に行こうか?」と誘われて、「最近疲れてるから、また今度行こう」というのと同じ感覚で、
- 「今日はしたくないから、明日にしよう」
- 「私は〇〇(具体的な性的な行為)は、したくない」
断ることは相手を否定することではないのでは、言葉で明確に断ることが大切です。
ただ、断られた相手は不安になってしまうかもしれないので、相手の気持ちも受け入れて相手を大切に思っていることも伝えましょう。